【羽化エピソード⑤】そんな……そんな……。
こんばんは、卯月です。
セミの羽化エピソード第五回目。
こちら第十回目まで続く予定なので、今日でちょうど半分になります。
↓今までのお話
今日の内容を話すのは正直辛いです。
でも、セミ太郎のことをちゃんと伝えたいと思ったので話します。
ちょっと悲しいお話なの
……それもまだ道半ば。
前回までのあらすじ
セミの羽化する瞬間を見たいと思っていた卯月の目の前に現れた一匹のセミの幼虫「セミ太郎」。
時間外れの夜に土から出てきてしまい完全に弱っているセミ太郎でしたが、なんとか壁のてっぺんまで登りきります。
(追記)ごめんなさい!セミの出てくるのは夕方とか夜で合ってたみたいなので、時間外れではありませんでした。わたし勘違いしてました。これからはもっとよく研究してからお話します。反省中。
そして、ついに彼は羽化を果たしました。
あとは羽を伸ばすだけ!
……飛躍までもう一歩だね。
そんな……そんな……
無事に羽化することができたセミ太郎。
わたしはその羽が伸びる様を心の中で応援しながらまじまじと観察していました。
あと少しでセミ太郎も空に飛べるんだなって思って。
感動でいっぱいだった矢先。
ぼたっと鈍い音が響きました。
それはセミ太郎がつかまっていた抜け殻ごと地面に落下した音でした。
え……
……。
共存できなかったってことなの?
白くってやわらかい身体が地面に叩き付けられた音。
耳から離れませんでした。
わたしはただそこで呆然と立ち尽くしていました。
セミ太郎が登っていたのは人工的に作られた壁だったんです。
だから、ふつうの木に登るのとは訳がちがって足場の引っかかりがどうしても弱い状況でした。
それで、わずかな動きでその抜け殻が離れてしまったようでした。
もしも彼が登っていたのが木の幹だったらこんなことにはならなかったかもしれないって何度も考えました。
でも、目の前のセミ太郎は地面にひっくり返っているまま。。
人間が作ったものがこんな風に生き物を傷つけてしまうことがあるんだって。
痛々しい惨状を目の当たりにしてはじめて「共存」の意味がわかりました。
もうやだよ……
……それすら含めた自然でもあるが。
まとめ
はい。ということで。
今日は羽化エピソード⑤としてセミ太郎の落下についてお話ししました。
すごく高いところから落ちて、でもセミ太郎、実はまだ生きています。
卯月もこれから動きます。
続きはまた明日です。
そのまま置いてはいけないもん!
……それがどう運命を動かすのか。
最後までお読みくださってありがとうございました。
以上、卯月でした。