【羽化エピソード⑨】命の形。
こんばんは、卯月です。
本日はセミ太郎の羽化エピソード第九回目です。
↓今までのお話
今日はセミ太郎が飛び立つことができたのか。
その核心のお話です。
ねね、みんなはどうなると思う?
……。
前回までのあらすじ
セミの羽化する瞬間を見たいと思っていた卯月の目の前に現れた一匹のセミの幼虫「セミ太郎」。
地上に出た時、彼はとても弱っていましたがなんとか羽化に成功。
しかし、これで飛び立てると思って見ていた矢先。
セミ太郎は抜け殻ごと高所から落下してしまいます。
ただ、そんなことではセミ太郎は負けません。
家族の救出の末、無事にセミ色になることができました。
写真ものせたから、まだのひとは⑦みてほしいな〜
……まるで色がただの色では無くなるようだ。
ねぇ、まだ飛ばないの?
昨日の記事で少しお話ししていましたが、セミ太郎の色が変わった写真は翌朝に撮影したものでした。
それってどういう意味か、みなさまお気づきでしょうか?
セミって朝にはもう飛び立つはずなんです。
でも、朝もまだ自転車のカゴの中にいて。
昼になっても。夜になっても。
結局セミ太郎は自転車のカゴの中から動きませんでした。
そう。セミ太郎にはもう飛び立つための力が残っていませんでした。
彼が飛ぶことはありませんでした。
そんな……
……。
命の形
本当は「セミ太郎が飛びましたっ!」って、ハッピーエンドを話したかったです。
セミ太郎が羽化していく時、わたしはそんな未来を思い描いていました。
でも、セミ太郎の一生は空を飛ぶことなく終わってしまいました。
飛ばないという命の形でした。
そして、自転車カゴの中でそのセミ生を終えていきました。
それが、わたしがわずかな時間を共にした彼の一生のかけらでした。
わたしものすごく悲しかった……
……幸せの形を勝手に押し付けてはいけないよ。
でも、悲しい時は悲しんでいいと思うの!
……飛ばないことにすら意味があるのさ。
まとめ
はい。ということで。
今日は羽化エピソード⑨として「命の形。」というタイトルでお話ししました。
残り一回でもうこのお話も幕を閉じることになります。
「命に触れる」というテーマ、感じていただけているでしょうか?
明日は最後に思ったことを話して終わろうと思います。
お時間があれば、ぜひいらしてください。
さよなら、セミ太郎
……言うべき言葉は明日に取っておこう。
最後までお読みくださってありがとうございました。
以上、卯月でした。